LED電球の選び方 – LED電球の特徴と失敗しないための注意点

失敗しないLED電球の選び方
進化の早い多種多様なLED電球を「選び方のコツ」を押さえてしっかり選ぶ
LED電球は、白熱電球や蛍光灯に比べて省エネで電気代が安くすみ、尚且つ長寿命で、10年近く使用できるので電気代・コスト高やSDGsが叫ばれる近年これまで以上に人気が高まっています。
発売当初から数十年経ちLED電球の価格もすっかり落ち着いてきたので、これを機に白熱球からLED電球に切り替えて使用されている方も多いと思います。
実際、LED電球の価格の推移とともに、性能の進化、機能やデザインも多様化していてますます便利になってより購入しやすくなっています。
LED電球は交換の頻度が少なく済むので、久しぶりに新しいLED電球を買おうとしたら、「すっかり様相が変わっていた」「いろいろありすぎてどれを選んで良いかわからない」と驚かれる方も多いかと思います。
そこでこの記事では、照明コンサルタントがLED電球の選び方を電球に興味がない方にもわかりやすくご紹介しています。LED電球の購入や交換に興味がある方は是非ご覧ください。
それではさっそくみていきましょう。
LED電球の選び方
LED電球を選ぶときに気をつけること
LED電球が使用できない環境とは
LED電球について知りたい方
LED電球の購入を考えている方
LED電球を選ぶときに最低限知っておきたいこと
LED電球は長寿命で長く使うことになるので慎重に選ぶ約10年は使用期間があり、長くお付き合いする電球です。
LED電球を選ぶ際は、下記の「注意すべきポイント」を抑えて間違いのない商品選びをしましょう。
LED電球を選ぶ際に気を付けること
- 1. 明るさ – ワット数表記ではなくlm(ルーメン)表記です
- 2. 配光 – LED電球は光が届く角度が決まっています。
- 3. 色温度
- 4. 演色性
- 5. 口金(くちがね)と本体の形状
- 6. 防湿・防雨機能 – LED電球は電子回路があるので水や湿気に弱い
- 7. 重さ – 白熱球よりも重いので注意が必要です
- 8. 調光機能の有無
- 9. 保証・信頼できるメーカーを選ぶ
1. 明るさ - ワット数表記ではなくlm(ルーメン)表記です
LED電球の明るさは、白熱球と構造が違うので、これまでのワット数ではなく、ルーメン(lm)という単位で表されます。ルーメン値を参考に選ぶようにしましょう。
ルーメンに馴染みがない方も多いかと思いますので、ワット数とルーメンの対応表を作成していますので、そちらを参考にしてみてください。
「ルーメンとワット数の明るさの目安」はこちらの記事で紹介しています。
2. 配光 - LED電球は光が届く角度が決まっています。
LED電球は、配光(光の広がり方)が、商品によってことなるので注意しましょう。
LEDの光の広がり方のことを「配光」といい、その角度が「指向角」として製品に記載されています。
主に「全方向タイプ」「広配光タイプ」「下方向タイプ」の3タイプがあります。
特に、配光方向とセードの形状の相性が悪いと思った以上に明るさが広がらない、暗めの印象になってしまうこともあるので購入前に確認することをオススメします。
一般的なセードなら「全方向タイプ」「広配光タイプ」を選んでおくと失敗が少ないかと思います。
- 全方向タイプ:光の広がり方が約260 〜 300度の電球
- 広配光タイプ:光の広がり方が約180度の電球です
- 下方向タイプ:光の広がり方が約120 〜 140度の電球です
3. 色温度
白熱球と同様にLED電球の色温度は、ケルビン(K)という単位で表されます。
色温度が低いほど、光の色は赤く、色温度が高いほど光の色は青くなります。
色温度は、見た目の印象だけでなく、「交感神経」に影響し、「集中力が高まる」「リラックスできる」など身体的に効果を発揮します。必ずに合った色温度を選ぶようにしましょう。
異なる色温度は混ぜない
同じ環境で異なる色温度の照明を使うと、チグハグな印象になり、メンタル的にも落ち着かない空間になります。キッチンとダイニングなどゾーニングが分かれる場所ならOKですが、「ひとつのダイニング内で複数の色温度の照明を設置するなど」は避けましょう。
色温度と用途について
- 電球色 (2,700K~3,000K): 温かみのあるオレンジ色の光。リラックスしたい空間や、暖かみのある雰囲気を作りたい空間に適しています。寝室やリビングルームなどに使用されます。
- 温白色 (3,000K~3,500K): 電球色よりも青みがかった光。作業や勉強に集中したい空間に適しています。書斎やダイニングルームなどに使用されます。
- 白色 (3,500K~4,000K): 太陽光に近い光。化粧やメイクをする空間に適しています。洗面所や化粧台などに使用されます。
- 昼白色 (4,000K~5,000K): 白色よりも青みがかった光。食品の色を鮮やかに見せたい空間に適しています。キッチンや食品売り場などに使用されます。
- 昼光色 (5,000K~6,500K): 青白い光。集中力を高めたい空間に適しています。オフィスや工場などに使用されます。
4. 演色性
色温度と演色性の関係
色温度 | 演色評価数(Ra)と特徴 |
---|---|
電球色 (2,700K~3,000K) | 演色評価数(Ra): 90以上 特徴: 物体の色を最も自然に見せることができる |
温白色 (3,000K~3,500K) | 演色評価数(Ra): 80以上 特徴: 演色性と光量のバランスが良い |
白色 (3,500K~4,000K) | 演色評価数(Ra): 70以上 特徴: 比較的自然な光色で、室内照明として広く使用されている |
昼白色 (4,000K~5,000K) | 演色評価数(Ra): 60以上 特徴: 食品の色を鮮やかに見せたい場合などに適している |
昼光色 (5,000K~6,500K) | 演色評価数(Ra): 50以上 特徴: 集中力を高めたい場合などに適している |
演色性(Ra)とは、光源によって物体の色がどれだけ自然に見えるかという指標です。
演色性が高い光源は、太陽の光で物体を見た時の色に近く、物体の色を自然に見せることができ、演色性低い光源は、物体の色を不自然に見せてしまうことがあります。
電球色の演色性は、演色性指数(Ra)90~95と高く、「人物を撮影する写真スタジオ」「食品を扱う厨房」「衣服や雑貨を販売する店舗」「美術館や博物館」では、電球色がオススメですが、人間の目には青色光に対して感度が高く、赤色光に対して感度が低いという特性があるため、白い紙が実際よりもオレンジ色っぽく見えてしまうことがあります。
その点が気になる場合には、次に演色性の値が高い「温白色 (演色性指数(Ra)80~85程度)」がオススメです。
5. 口金(くちがね)と本体の形状
LED電球は、白熱電球や蛍光灯と同様に、様々な口金と形状があります。
口金は、電球を差し込むソケットの大きさでほとんどの場合が、「E17」,「E26」のどちらかです。
購入前に「照明器具の口金のサイズ」を確認しておきましょう。
また、LED電球は、白熱球と違い「ユニークな形状」の電球もあります。密閉したガラスセードに内に取り付ける場合は、ガラスセードの外径のサイズにも注意しておきましょう。
6. 防湿・防雨機能 - LED電球は電子回路があるので水や湿気に弱い
LED電球は、電装部品が多く、湿気に弱いので浴室やキッチンなどの水回りで使用する場合には、防湿・防雨機能付きのLED電球を選ぶ必要があります。
また、電装部品が多いので熱を持ちやすく(LED素子自体は熱くならないが)、熱が籠る場所での使用は、故障の原因となる場合があります。
お風呂場の照明など密閉容器内にLED電球を使用する場合は、排熱機構がある密閉形器具対応の防湿・防雨機能付きのLED電球を選ぶようにしましょう。
また、ポーチなどの玄関灯や門灯で使用する場合は、必ず「屋外使用に対応したLED電球」を選ぶようにしましょう。
7. 重さ - 白熱球よりも重いので注意が必要です
天井配線器具の耐荷重は3.5kg 〜 7.0kg(チェーンによる補強が必要)まで
LED電球は、白熱球と比べると重く、スピーカー機能付きのLED電球の場合、300gを越えるものもあります。とくに多機能なLED電球は、重量が大きくなる傾向があるので商品の重さに注意して選びましょう。
天井配線器具(天井に照明を取り付ける部品)は、照明器具と電球を合わせて総重量が3.5kg 〜7.0kg(チェーンによる補強が必要)に
収まる必要があります。(天井配線器具の種類によって異なります。天井配線器具の耐荷重はこちらの記事から確認できます。)
電球を複数使用する照明器具の場合は特に注意しましょう。光源が5灯、6灯と複数使用する場合は、LED電球を使用することで総重量が1kg近く増えてしまう場合があります。
光源が多い照明器具は、安全のため「LED電球使用不可」となっている商品もありますのでご注意ください。
1個あたりの電球の重さの目安
- 白熱電球 :30g 〜 50g
- LED電球 : 150 〜 180g
*電球の重さはメーカーにより異なります
8. 調光機能など
LED電球の中には、調光機能付きのものがあります。
LED電球を選ぶときは「調光機能」の有無に注意しましょう。調光機能付きのLED電球を使用する場合は、器具が調光に対応しているかを確認する必要があります。
もともと室内の照明の配線に「調光機能」が付いている場合、「調光器対応」でない「調光機能つきLED電球」を使用すると故障の原因となる場合があります。調光機能を「オフ」にしても、LED電球の寿命が短くなったり、故障の原因となる場合があるのでご注意ください。
調光機能付きの部屋には、「調光器対応」と記載してあるLED電球が必要です。
調光機能付きの部屋には、「調光器対応」と記載してあるLED電球を選びましょう。
9.保証・信頼できるメーカーを選ぶ
LED電球は、照明専門メーカー以外の様々なメーカーから販売されています。
見慣れないメーカーや聞き慣れないブランド品は、一般的な使用期間までもたずにすぐに壊れてしまうことが多いと照明学会でも警鐘が鳴らされています。
粗悪品など一般的な市場価格よりも極端に安い価格の商品には注意しましょう。
よくわからないときはPSEマーク(電気用品安全法)があるか確認すると良いかと思います。
PSEマークのある信頼できるメーカーの製品を選択することで、品質や安全性が高いものを選ぶことができます。
また、有名メーカー品のLED電球は、保証期間が1年以上に設定されているケースも多く、中には「3年保証」、「5年保証」といった長期保証のメーカーもあるので、「メーカーの保証期間」に着目して選ぶのも良いかと思います。
*PSEマークとは電気製品が安全性を満たしていることを示すマークです。
PSEマークについて詳しい情報 / 日本照明工業会
- 公的なデータ・エビデンスへのリンク
- 照度(ルクス)と色温度(ケルビン)について…参考資料:色彩検定
- 光源色と演色性
- 配光・配光角について
よくある質問・疑問点
-
Q. LED電球の寿命は?
A.
メーカーによって違いますが、寿命約40,000時間の製品が多いので、1日8時間の使用で約10年。40,000時間と言われています。LEDの寿命については、JIS C 8105-3「白色LED照明器具性能要求事項」の中で、「一般用照明器具の光源として使用する場合のLED寿命は、全光束が初期全光束の70%、または光度が初期光度の70%に低下するまでの時間とする」と定義されています。 -
Q. LEDは必ず40,000時間点灯しますか?
A.
使用方法や周囲環境(温度など)などにより変化する場合があります。 -
Q. LED電球は熱くなりますか?
A.
LED光源が放射する光自体にはほとんど熱線が含まれていませんが、LED素子自体は発熱します。LED素子に投入した電力の70%程度は熱になります。 出典:一般社団法人照明学会つまり、LED電球から出る光は熱くないが、電球の本体は熱くなります。この発熱を効率よく放熱することがLEDの寿命に大きく影響します。 -
Q. LED電球はチラツキやノイズ、チカチカ点滅が気になりますか?
A.
2012年7月1日より施行された電気用品安全法で、LEDのチラツキを制限する規定が設けられたので、現行のLED電球はチラツキなどが出ないように改良されたものになります。
LED電球の選び方 – LED電球の特徴と失敗しないための注意点
いかがでしたでしょうか?このページでは、「LED電球の選び方」「LED電球を選ぶ際に失敗しないためのポイント」をご紹介しました。
LED電球を選ぶ際に失敗しないためのポイントは、「1. 明るさ」「2.電球の配光」「3. 色温度」「4. 演色性」「5. 口金(くちがね)と本体の形状」「6. 防湿・防雨機能」「7. LED電球の重さ」「8. 調光機能の有無」「9. 保証・信頼できるメーカーを選ぶ」の9項目です。
ほとんどの項目は、商品のパッケージをよく見れば記載してあるはずですので、商品選びの際にご確認していただければと思います。
1〜4までは、間違って購入しても使用できますが、特に5,6,7,8は、間違って購入すると使用できないケースがありますのでご注意ください。
このページが、みなさまの楽しいインテリアライフのヒントになれば幸いです。ご一読いただきありがとうございました。