蛍光灯 生産終了 について [ 蛍光灯がなくなる 2つの理由 ]

[ 蛍光灯 生産終了 ] 蛍光灯が、いずれなくなる のは、「 多機能照明 」と「 人にやさしい・安全・快適・便利なあかりの普及 」へのステップです
目次 / このページで解説していること
このページでは、 蛍光灯 生産終了 について まとめました。蛍光灯が、いずれなくなる 2つの理由を説明しています。
その理由は、ざっくり言うと、日本政府と 日本照明工業会が「 照明成長戦略 Lighting Vision 2030 」という目標を掲げ、照明のSSL化(簡単に言うとLED化)を奨めているからです。
具体的に、2030年までに 照明器具ストック市場SSL化率100% 消費電力60%減 を目標としています。
詳しい資料は、
「 照明成長戦略 Lighting Vision 2030 」を読めば分かるのですが、ちょっと読んで「 SSL? HCL? なにそれ!?」と思われる方 も多いかと思います。略語表記 や 専門用語が 多くて難しいですよね。
このページでは、その内容を できるだけ わかりやすく 説明しています。LED化の 流れを 正しく 理解して、賢く備えましょう。
時間のない方は、『 ざっくり まとめ 』を ご覧ください 😉
[ざっくりまとめ] 蛍光灯 生産終了 [ 蛍光灯が いずれなくなる 2つの理由 ]
- SDGs・地球環境を配慮した これからの サスティナブルな社会に そぐわない 物質が 使用されている
- 地球環境への悪影響が少なく、人にとってより快適で 利便性の向上が図れる 新しい光源 ( LED ) へのシフトを 政府 と 業界が すすめている
官民一体となって、「 トップランナー制度 」 などによる 「 既存光源製品の生産縮小とSSL ( 主にLED )化 」 をすすめているので、蛍光灯ランプの市場はますます縮小していくことが予想されます。
具体的には、2030年までに照明器具ストック市場SSL化率100% 消費電力60%減を目標としています。
「まだまだ蛍光灯使えるよ」「うちの設備は古くないよ」といったパラダイムシフトへの対応として、LED化への移行補助金なども 今後増えていくことが予想されますので、「 LED 補助金 」を小まめに チェックしてみるのも良いかと思います。
蛍光灯 生産終了 となる理由1 地球環境への配慮

もちろん、現在、販売されている蛍光灯は、水俣条約 の 水銀含有量の基準を クリアした製品 しか流通していないので問題はありません。しかし、今後の企業活動の中で、 さらに 環境に 配慮した施策が 行われていくと 思われます。
- 蛍光灯の水銀Hg使用と水俣条約 蛍光灯は、人体・環境に有毒な水銀を使用している製品があること。
- 蛍光灯には、人体・環境に有毒なPCB( ポリ塩化ビフィニール )を含むコンバーターや安定器が使われているものがあること。
- パナソニック株式会社 2019年3月末に終了
- NECライティング株式会社 2018年3月に終了
- 東芝ライテック株式会社 2017年3月に終了
PCB (ポリ塩化ビニル)とは
PCB (ポリ塩化ビニル)とは 人工的につくられた主に油状の化学物質です。 1972年以前に作られた蛍光灯照明器具のコンバーターや安定器にPCBが使われていました。しかし、1968年の「カネミ油症事件」をきっかけに危険性を問題視し、1972(昭和47年)の行政指導(通産省)により製造中止、回収指示が行われました。そのため、1972年以降は新たな製造は行われていません。
PCBは、決められた期限内(自治体によって異なる)に廃棄しないと罰則規定( 懲役・罰金 )のある有毒で危険な物質です。
政府は、専用の処分施設を作り、各自治体ごとに回収処分期限を設定しています。回収期限を越えると実質処分できなくなり、所持していると法令違反となります。
2020年前後に回収期限を迎える(迎えた)自治体が多いので、改めてPCBを使用した照明器具の掘り起こしとLED照明器具への移行を行なっています。
LED移行への補助金がでる自治体もあるので調べてみるのも良いかと思います。
(*一般家庭用の蛍光灯の安定器でPCBが使用されたものはありません。)

蛍光灯の水銀Hg使用と水俣条約
水俣条約は、水銀による環境汚染防止に関する法律です。水銀を使用している蛍光灯ランプは対象となりますが、水銀を使用しているので「蛍光ランプは原則 2020 年までに製造禁止」というのは、間違いです。
現在、(日本照明工業会会員の製造販売する)市販されている蛍光ランプは、すでに水銀含有量の基準をクリアしているので、水銀使用ランプについては製造・輸出入の規制を受けることはありません。(例外あり)
しかし、 水俣条約の発行にともない、不要になった蛍光灯は「水銀使用製品産業廃棄物」に分類され、法規制の対象となったこともあり、 「製造する際の規定も厳しく、廃棄の規制も厳しい」という状況になりました。
大手メーカーは、「 照明成長戦略 Lighting Vision 2030 」という目標達成へ歩調を合わせ、自主的に製造中止を発表しています。
蛍光灯の水銀Hg使用と水俣条約
蛍光灯 生産終了 となるの理由2 あかり文化の向上と地球環境への貢献

地球環境に配慮した省エネルギー化とIoTによる制御が容易なLED照明器具の普及100%の実現を政府と業界がすすめている
からです。「これからのあかり文化の向上と地球環境への貢献」とは、
「 Connected Industries( コネクテッドインダストリーズ )による パラダイムシフトへの対応しながら、CSL ( Connected Smart Lighting ) & HCL( Human Centric Lighting ) の普及による空間価値を 創造し、グローバル化・ボーダーレス化への対応を行なっていく。 」
ということだそうです。「 why!? 」「 日本語でお願いします 」と言いたくなる難しい文章ですよね。
ひとつひとつ用語を噛み砕いていくと、
Connected Industries( コネクテッドインダストリーズ )とは
2017年3月、経済産業省が提唱した概念です。日本で現実社会で生み出されるデータ(リアルデータ)を共有し、「自動走行・モビリティサービス」「ものづくり・ロボティクス」「バイオ・素材」「 プラント・インフラ保安 」「 スマート・ライフ 」の基礎整備 や 開発に役立てる...といった内容です。
パラダイムシフトとは
パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識 や 思想、社会全体の価値観などが 革命的に もしくは劇的に変化することをいう。パラダイムチェンジともいう。
出典 WikiPedia
CSL ( Connected Smart Lighting ) とは
IoT や ネットワーク、AI や クラウドと繋がり、管理制御され 最適化された照明。
ネットワークに 繋がることで、センサーで 行動パターンを 認識したり、クラウドで 機械学習することで 最適なライティングを 実現し、消費電力を最適化する...といった内容です 。
HCL ( Human Centric Lighting ) とは
Human Centric Lighting ( 人間中心の照明 )という概念。
自然光、人工光源にかかわらず、光は生理的リズム反応を引き起こし、人々の健康に与える影響が大きいとされています。
そこで、光の質を 向上させることで、人工的な光を 自然光に 近づけ、より人に 優しい照明を 目指す ... といった 内容 です。
(照明の)グローバル化・ボーダーレス化とは
日本国内の人工減少に伴う 照明出荷数の減少に 備えた「 広域アジア市場へのターゲット拡大 」、「 日本照明のブランド化 」と 「 海外製LEDなど、日本市場に マッチしない輸入海外製品 の 増加に対する 市場監視体制 の 強化 」... といった内容です。
最初の文章を専門用語を使わずに言い換えると、
日本社会で得られた ビックデータ を みんなで 共有し、
既存光源からLEDへと移行しながら、
「 IoT・クラウド・ネットワークで制御され、最適化された人 に とって優しい照明 」の普及による 空間価値の創造を 実現し、
日本照明のブランド化で、広域アジア市場をターゲットとしながら、 海外製品の 流入から 日本の 照明市場を 守る
蛍光灯がなくなるのはなんだか少し寂しいですが、快適で より良い 未来が 待っていそうでワクワクしますね。
[まとめ] 蛍光灯 生産終了 蛍光灯ランプが、いずれなくなる 2つの理由
いかがでしたでしょうか?
お話した二つの理由から官民一体となって、既存光源製品 の 生産縮小 と SSL ( 主にLED ) 化を すすめています。
ガソリン自動車 から 電気自動車へシフトしていくように、日本市場における 蛍光灯ランプは 役割を 終えつつあるようですね。
(*特殊なランプ等を除いて)
以上、環境問題に 配慮した SDGs への貢献が 企業に求められる中、蛍光灯 はすぐに無くなったりしないけど、いずれなくなるよ。
と言う内容でした。
「 まだまだ蛍光灯使えるよ 」「 うちの設備は古くないよ 」といった方も多いかと思いますが、そう言う時代 の 流れですので、
「 LED 補助金 」 等を 小まめに チェックして、お得に 対応していただければと 思います。

この記事を書いてる人
こんにちは、インテリア好きのELです。照明コンサルタント の 知識を活かして、より良いご提案できるように 日々勉強中です。